Father Comes Home from the Wars (Parks,Suzan-Lori. 2016)
南北戦争下、奴隷制度が廃止されつつある時代、「主人と南軍に従軍すれば自由が与えられる」と言われた奴隷ヒーローは、「自由を与えられることはない」と知りながら主人と共に従軍する。主人は最後まで自由を与えなかったが、ここにも残酷なオプティミズムがある。そして主人が亡くなるころ、ヒーローは主人に似ている自分を発見する。
Describe the Night (Joseph,Rajiv. 2017)
場所はロシアとその近郊国、物語は1920 年から2010年の間を行き来する。秘密警察による作家の粛清、ロシア大統領による記者の暗殺等、劇は歴史上の人物、架空の人物そしてその立場さえはっきりしない人物の中で描かれる。何が正しいのか?「作り話」が事実とフィクションの2項目対立を壊すものになりうるのではないか?そして「何も根拠のない真実はいらない。推測をもとに真実を作るのはやめよう。」という現実的な言葉で劇は終わる。